ミソジニー勉強会
2020/4/24
勉強会
報告がかなり遅くなりましたが、昨年10月26日土曜のお昼間にミソジニー(女性嫌悪・女性蔑視)勉強会を行いました。
報告の前に、まずはそもそも、なぜこのような会をひらこうと思い立ったかについて、簡単に記しておこうとおもうのですが、それは、私がふだん行っている占い鑑定が影響しています。
前々から何度か話題にはしているのですが、
過剰に占いに依存してしまう方にいまだに頻繁に遭遇します。
(過剰に依存するというのは、たとえばここでは毎日おなじ内容で占い鑑定にいってしまうような人を指すとしましょう)
本人が望んでそうなっている場合は特に問題ないとおもうのですが(それはそれで病理ではあると感じるもののそれはまた別の話)、
私に相談にこられる人は「占いに依存しているのがつらい」。
しかも、減らしたい、などではなく、「本来は占いは別に好きではない」「もうすっぱり完全にやめたい」とおっしゃる方がとても多いです。
(そういう相談が多いこと自体は、私が「占い依存を抜けたい人歓迎」と案内を貼っている影響もあるとは思いますが。)
たとえば私がスポットを当てたいと感じている例のなかに下記のような流れがあります。
まず、
なんらかの悩みをかかえる
→しかし他人に相談するスキルがなく相談ができない
→身近にいる異性に相談
→(互いに異性愛者である場合)恋愛関係あるいは性的ななんらかが発生しやすくなり、
→こんどはその相手との関係自体に悩み、
→相談する人間がいなくなるためにまた思い悩む
→(ひとつの依存先として)占いに過剰に課金してしまう……。
(余談として正確にデータをとったわけではないですが、千件単位で鑑定を繰り返した結果、体感として、「望まないのに結果として不倫をしてしまう」という人には特にこの傾向はあるように感じています。(すべての方がそうではないです))
では、なぜそもそも「同性に相談できないのに異性には相談できてしまう」状況が発生するのか。
私が注目しているのは自己の性に無自覚に依存している状況。
また、無自覚に競争相手になりえる同性を排除してしまうという心理です。
(「ミソジニー」は、これを考えていく過程で突き当たった概念です。)
この現状について本人たちの在り方に問題があるということももちろんできますが、その回答だけで満足してしまうと、私がふだん行っている鑑定の仕事が健全なサイクルとして今後はたらかなくなっていくという予感があり、
「小規模でもかまわないので、占い鑑定の仕事をやるかぎりはなにかしらの解決策をそのサイクルに組み込ませてやっていかなくてはならない」と強く感じており勉強会を実行にうつすようになった次第です。
(念押ししておきますが、占いにくるすべての人が依存してしまいやすいわけではないですし、
すべての人が浮気や不倫をするわけではないですし、
パートナーである交際相手、そして、同性とも仲良く、且つ占いも人生にうまく活用している人もたくさんいらっしゃいます。)
「同性との連帯を目的にした連帯をやっていきたい」というのがそもそもの趣旨で、
そこからはずれない範囲で、選書して勉強会を今後も実施していきたいと考えています。
ただし女性男性の二項対立に落とし込んでしまうと、またあらたな差別を産む危険性がありますので、あまり性別にはとらわれず、同性同士での信頼関係や基盤ができたら、男女含めて勉強会を実施していきたいと思っています。
ミソジニーという概念をまなぶこと、そしてフェミニズムまわりの歴史をまなぶことは現状の日本でのスピリチュアルの業界を客観的にみて関わっていくために必要な態度であると感じています。
趣旨に賛同してくださる方の参加を今後おまちしています。
さて、第1回は上野千鶴子先生の「女嫌い」という本を読みました。
そもそもこの「女嫌い」を選んだのは、本のなかで、「誰もがミソジニーを抱えている」という説明がされていて興味を持ったからです。
この本の目次を元にして、互いの経験を持ち出しながら話し合いができればおもしろいと考えました。
私が本の概要を目次ごとの項目ごとに説明していきながら、話したい共有したいと感じるエピソードがあれば、話してもらうという進行のやり方でした。
本の内容をただ頭にたたきこむのでなく自身の経験に紐付ければ頭にはいりやすくなるのではないかというねらいもありました。
(参加者全員がミソジニーを抱えた当事者というわけではありませんでしたが、話の進め方は当事者研究会で使われているものを参考にさせていただきました(特にダルク女性ハウス))
「自身の経験をしゃべりすぎてしまって後からひとりになったときにつらくなる」ということを、特に避けたいと感じておりましたので、
『思いついたからと言って、いきなり話さない。まずはかならず紙に書く』というルールをつくり、手元に用意した紙に話したいことを落とし込んだ上で、ほんとうにこの経験は共有して大丈夫か? 精査してもらった上で共有してもらうようにしました。(性別の話は本人にとって、アイデンティティに知らぬうち深くむすびついているエピソードである可能性があるため慎重になりました)
また、話すのが得意な人不得意な人もいるわけなので、場の空気が誰かに過剰にかたよらないようにフェアになるように心がけたかったというのもあります。
とにかく『しゃべらない』だけを決めた会だったのですが、
実際は予定時間を大幅にオーバーしてエピソードの共有や、おしゃべりが続いた状況だったので、
やっぱり『しゃべらない』というルールを決めるくらいの調整の仕方でちょうどよかったとは思います。
誰かが傷つかないようにという点はかなり気を遣ったのですが、実際どうだったかはわかりません。
ですが私に聞こえてくる感想としては良い内容でした。想定していた以上のことができたのではないかと感じました。
参加費1000円、場所は私の鑑定事務所で、私を含めて3名の参加でした。
参加いただいた方どうもありがとうございました。
2回目は12月だったのですが、じつはインフルエンザにかかってしまい、それがきっかけで体調不良が長く続いてしまったので、しばらく活動をストップしていました。
なので、次回は1月……来週の土曜に予定していますが、今回は調整の意味も含めて、クローズドで行う予定です。(『女ぎらい』の続きを読むのと、あとはお寺に寄ったりもする予定。)
2月、3月以降も構想中。興味のある方はご連絡くださいませ。
亜弥女