クローゼットΔデルタを立ち上げようと思った理由

立ち上げようと思った理由

そもそもはじめは(オカルト)サークルにしようと思っていました。名前にも「クローゼット」とつけたくらいで、会員制にしようかと思っていました。
ですが、個人的な話にはなりますが、閉鎖的な場所で人間関係を作るのに過去に何度も失敗を重ねてきたという経験があり、これを考えたときに少しためらってしまいました。それならば、オープンな場所で考えなおしてみようと思って、考えたのが、哲学カフェを手本にするということでした。

ためらうならば人と関わる場所を自分で作るなと思われるかもしれませんが、私は過去の人間関係の失敗も、自分が積極的に人にかかわらなかったのがひとつの原因だったと今は考えるようになっており(いわゆる、受け身すぎた)、なんとかして今後の人生は、人と積極的に関われる場所を作っておきたいと感じています。

というのも、私はひとりの力で生きていくのには限界を感じているからです。頼れる人がもっとほしいし、健全に、会話できる相手が多くほしい。それが今の率直な気持ちです。

いままでの私は、絵や小説を書き、それを読んでもらえればそれで十分でした。というのも、作品さえみてくれれば相手は自分のことを理解してくれた、くれている、そう思いこんでいたところがありました。作品に具体的な悩みを書いているわけではないのですが、そうであっても、何かしら自分にとって切実な部分を込めているのは間違いなかった。(逆にいうと、絵を体験したり小説を読めば相手のことをわかった気にもなっていました。むしろそれをやらないと理解できないとすら思っていた)それで、作品を読んでくれた人たちを過剰に信頼してしまい、十分だと思ってしまうことにより、ある意味でコミュニケーションを放棄していたのだと今になって思います。

『作品にはコミュニケーションを込めてはならない』そういう信条でやってきた自分がいちばんコミュニケーションの道具として扱っていたのかもしれません。私は評価されるという以前に、生きていくうえでの理解者がほしかったのだと思います。でもそういう気持ちと小説を書くのをいっしょくたにしてしまったのはまちがっていて、自分のことは、自分の口を使って、助けてほしいと言わなくてはならなかったのだと思います。

私はいわゆる社会の底辺層に分類される人間だったのだと思います。且つ少数派に分類される人間だった。今になってそう感じる理由は、あまりにも相談できる相手がいなかったからです。当時、いざ勇気を出して相談しても理解されなかった、(と感じる)ことが何度もありました。何に悩んでいたのか具体的に書くことは避けますが、悩みは複合的でしたし、ひとつ解決すればそれで健康になれるというタイプの人間ではなかったせいもあると思います。

正直いって、実際の私には底辺意識も少数派意識もないに等しいのですが、人と対話することで、かえってそれを感じてしまうようなことは今でもあります。あまりそういうことを感じすぎると、被害者意識が強くなっていくという心配も自分にあり、最低限を理解してくれようとする人たちを発見しておきたいというのも正直な気持ちかもしれません。

また、コミュニケーションはコミュニケーションのこととして解消させておけば自分のめざす小説に近づけるのではないかという期待もある(もともとが『作品にはコミュニケーションを込めてはならない』という信条だからです)。

また、先程書いた「悩み」のうちのひとつはオカルト(超常現象に悩まされたいわゆる霊障。またそれに付随する悩み)に関することでした。じつはこのことについて文章にまとめたのですが、今現時点では、まだここに公表する勇気がなく、気持ちの折り合いもつきませんでした。なので、簡単な言及だけとさせていただきます。(本当はこの部分に、今回のこの場所を立ち上げる動機が潜んでいるのですが……。)

オカルトについて気軽に話せる場所が欲しかったのですが、あまりにも話せる場所がないというのにも当時、気が付きましたし、当時だけでなく、今もそうです。一般の人がオカルトの話をできる場所というのは、宗教や占いの話ができる場所くらいです。ですが悪質なビジネスがはびこりやすい業界であると知られているところでもありますし、そういう業界にだけ役割を押し込めてしまうのは私はあまり良くないのではないかと思っています。

そういうわけで、この場所を立ち上げたのは、一般の人が気軽にオカルトや宗教の話ができる場所が、営利に関係ない場所にひとつくらいあってもいいのではないかと感じたからというのもあります。

また、オカルトを話すことによりむしろオカルトに縛られず、この先の未来、どういう思想が流行るのか、どういう生活形態をとっていくのが私たちにとって良いことなのか、人と対話することで考えて、見えてくるものがあればいいなとも思っています。

(クローゼットΔデルタについてはこちら)